闇龍~最強の女~
ザワザワしていた教室が

一気に静まり返った。

その場にいた全員の視線が

俺に向けられていた。

見渡すと、爽と恵一がいるのが見えた。

『爽!恵一!』

見つけた瞬間、安堵感がこみ上げてきて

───タタッ

──ギュッ

2人に抱きついた。

爽「うわぁっ!」

恵「おっと」

急な抱きつきによろめいた2人だけど、

しっかり受け止めてくれた。

「「「きゃあああぁぁあああ!!?」」」

女子の叫び声が聞こえたけど、

『いやだぁー!俺、こんな格好ハズい!』

そんなのはどうでもよかった。

恥ずかしい気持ちのほうが勝っていた。

恵「美海…ですか?」

爽「おまっ、その格好…!」

『綺羅がいろいろやったんだよぉー。

 もう、いやだぁー!』

滲んでくる涙をこらえながら、

2人を見上げた。

爽「ちょっ、見んな!///」

恵「それ、ヤバいですよ…///」

『そ、そんな変か?やっぱり…』

恵「そ、そうじゃなくてですね…

  つまり、そのー…」

か、可愛いってことですよ…と、

恵一はつぶやいた。

可愛い…?

『へ、変じゃないのか…?』

爽「に、似合ってる…可愛いよ///」

だから自信持て、と爽は言った。

でも、やっぱり

『は、恥ずかしいんだもん…っ///』

我慢できずに零れた涙。

顔を手で隠しつつ、

必死に泣き止もうと

奮闘している美海を見つつ、

爽と恵一は心の中で会話していた。
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