魅惑の果実
お洒落にスーツを着崩し、少し長めの髪の毛はほんのり明るい。


そして何より軽い……雰囲気かるっ!



「俺の電話シカトしといて女と飯かよー」



男性は桐生さんの椅子の袖かけに腰を下ろすと、私に向かってニコッと笑った。


桐生さんの無愛想な感じも怖かったけど、この人の笑顔も何故か同じくらい怖い。



「勝手に入ってくるな」

「何だよ、つれない奴。 たまには俺ともデートしろよ」

「断る」

「お前のそういうところ結構好き」



うえ!?


この人……そっち系!?


てかヤンチャそうで可愛い顔をしているこの人は一体……。



「何故ここにいるのが分かった」

「駐車場でたまたまお前の車見つけて、ハスヤンとっ捕まえて聞き出した」



ハスヤン?


ハスヤンって蓮見さんの事?



「ぶっ……!」



堅苦しくて難しい顔をしている蓮見さんの事をハスヤンって……ヤバイ、うける。





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