魅惑の果実
確かあの部屋に入っていったよね?


美羽が入っていったであろう部屋のドアを開けると、部屋の中には数人の男女がいた。



「お、お姉ちゃん!!」

「美羽……」



本物の妹だった。


なんでこんなとこに?


何してんの?



「美羽ちゃんのお姉ちゃん? 可愛いじゃん」



知らない男に腰を抱かれた。


こいつ……。



「キモイんだけど。 美羽、行くよ」



男から離れて美羽に近付いて手を伸ばした。


美羽の隣に座っていた男が、私の手を取ろうとした美羽の体を抱き寄せた。


こんなに怯えてる美羽を初めて見る。


いつも私に素っ気ない態度を取られても、笑顔を絶やさなかった美羽。



「お姉ちゃんも一緒に楽しもうよ」

「あんたの姉じゃないから。 ってか馴れ馴れしく話しかけないでよね」

「勝手に入ってきて調子に乗ってんじゃねぇぞ」



気付けば男に囲まれていた。


またやってしまった。


後先考えずにこんなところにきてしまった……。


桐生さんに暴露たら怒られそう。



「ここで騒ぎ起こしたらマズイんじゃないの? あんたたち干されるよ?」



ニコニコしながら入り口に立っている翔。





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