魅惑の果実
近場のカフェに入ったはいいが、周りの視線が痛い。


翔が連れてきた友達も、翔に劣らないくらいのイケメン。


明日香の目が完璧ハートになってる。



「同じ学校の健人(けんと)だよ」

「どうも」

「美月です。 で、こっちは……」

「明日香でぇすっ」



私が言う前に自ら名乗る明日香。


健人の顔はどストライクなんだろう。


分かり易い奴。



「制服姿の美月も可愛い」

「……それコスプレとかじゃなくて、マジ?」

「あははっ、マジだよ!」



そりゃマジだよね。


ってか笑えない。



「翔君と健人君は何年生なの?」

「俺たちは一年だよ」

「一年!?」



みんなの驚く顔を見てハッとする。


つい大きな声で叫んでしまった。


だって、そんな……まさかの年下!?



「詐欺だ……」

「美月だって一緒じゃん。 美月たちは何年なの?」

「私たちは三年だよぉ」

「え……?」



健人は驚いた顔で明日香を見ている。


健人が何を考えているのか、だいたい想像はつく。



「その顔酷ぉい!! タメだと思ってたでしょ!?」

「いや、そんなことはないけど……」

「ぶっ、あははははっ」

「ちょっ、美月笑い過ぎ!!」





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