魅惑の果実
第十一話 微かな溝
「彼女といるのに他の女のところに飛んで行っちゃう……その心は……?」
「彼女と同じくらい、もしくはそれ以上に特別だから?」
「もぉ〜ヤダァァァ〜!!」
「うお!? 何? 何があったの!? 昨日帰ってきたと思ったら暗い顔してるは、直ぐ寝ちゃうしさぁ」
ざわつく食堂の机にデコをつけて項垂れる私に、困ったような声をかける明日香。
昨日は何も考えたくなくて、寮に帰るなりそっこう寝てしまった。
「昨日桐生さんと一緒にいたんだけどさ、咲さんから桐生さんに電話がかかってきて、電話切るなり咲さんのところに行っちゃったんだよね……」
「マジ!? 連絡は?」
「取ってない……メールも返ってこないし……嫌な考えしか浮かばない……」
「桐生さんの彼女は美月なんだし、あんま気にしなくていいんじゃん?」
「…………」
そう言われても、気にしないようにするなんて無理だよ。
連絡ないし、いい感じになっちゃったのかも……。
どうしよう。
桐生さんと連絡取るのが怖くなってきた。
「彼女と同じくらい、もしくはそれ以上に特別だから?」
「もぉ〜ヤダァァァ〜!!」
「うお!? 何? 何があったの!? 昨日帰ってきたと思ったら暗い顔してるは、直ぐ寝ちゃうしさぁ」
ざわつく食堂の机にデコをつけて項垂れる私に、困ったような声をかける明日香。
昨日は何も考えたくなくて、寮に帰るなりそっこう寝てしまった。
「昨日桐生さんと一緒にいたんだけどさ、咲さんから桐生さんに電話がかかってきて、電話切るなり咲さんのところに行っちゃったんだよね……」
「マジ!? 連絡は?」
「取ってない……メールも返ってこないし……嫌な考えしか浮かばない……」
「桐生さんの彼女は美月なんだし、あんま気にしなくていいんじゃん?」
「…………」
そう言われても、気にしないようにするなんて無理だよ。
連絡ないし、いい感じになっちゃったのかも……。
どうしよう。
桐生さんと連絡取るのが怖くなってきた。