魅惑の果実
遊園地のキャラクターを見つけては、はしゃぎながら写真を一緒に撮っている明日香。


健人はそんな明日香を見て楽しそうに笑ってる。



「美月は撮らなくていいの?」

「だってあれ中身人間じゃん」

「うわぁー……それ一番言っちゃいけないやつだよ」



だってそうじゃん。


私ははしゃいでる明日香を見てるだけで楽しいから写真はいいや。



「苦手な乗り物とかないですか?」

「うん、何でも大丈夫だよ。 健人と翔も何でも平気?」

「俺は大丈夫なんですけど、翔は……」

「あぁ〜!! 待った! 言わないでよ!!」



急に焦り始める翔。


大きな体が小さく見える。



「もしかして翔君見かけによらず絶叫系苦手なの?」



からかう明日香にバツの悪そうな顔をする翔は、口を尖らせ腕を組んだ。



「そんなわけないじゃん。 絶叫系は大好きだよ」

「へ? じゃあ何が苦手なわけ?」

「そうだよぉ〜! 絶叫系以外なくない!?」



口ごもる翔の顔を見上げると、バッと顔を逸らされた。



「え?」



ボソボソと何か言ったけど聞き取れない。



「〜っ、お化け屋敷!!」





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