魅惑の果実
お店に着くと、大雅さんは常連なのか、お店のオーナーらしき人と仲よさそうに話しをしている。


案内された個室のテーブルやソファー、照明は全てアンティーク調だった。


お城の一室みたい。


可愛いというより、怪しげで雰囲気に酔ってしまいそうな空間。


ソファーはお洒落なだけじゃなく、弾力もあって座り心地抜群だった。



「何食べたい?」



何食べようかな……。


メニューを眺めていると、どれも美味しそうで中々決まらない。



「大雅さんは何にするんですか?」

「俺? 俺はいつもお任せだから、決めた事ないんだよね」

「そうなんですか? じゃあ私もお任せにします」

「オッケ。 お酒は? あ、でも高校生……っ」



またしても私を見て笑い始める大雅さん。


もう幾らでも笑って下さい。



「私は烏龍茶にします」

「ぶっ、烏龍茶! あははっっ」

「もう! 一々笑わないで下さい!!」



テーブルに設置されているボタンを力一杯押した。


するとすぐ様店員さんが部屋に入ってきた。





< 257 / 423 >

この作品をシェア

pagetop