魅惑の果実
食事を終え、大雅さんが寮の近くまで送ってくれた。



「今日はありがとうございました」

「楽しかったよ。 また飯行こうな」

「今度は桐生さんも一緒に……」



桐生さんは気にしないかもしれないけど、大雅さんは友達ってわけじゃないし、二人で会うのはあまり良い事じゃないよね。



「あははっ、美月ちゃんって案外真面目〜。 んじゃ、次は桐生も一緒な」

「はい」

「何かあれば連絡しろよ。 まぁ、何もなくても気軽にどうぞ」

「はい、ありがとうございます」



大雅さんの乗った車が走り去り、私も寮まで歩き始めた。


それにしても、咲さんと桐生さんの関係にはビックリした。


まさかそんな昔からの知り合いだったなんて……。


桐生さんと咲さんは本当に一度も深い仲になった事はないのかな。


ずっと咲さんの片想い?


気になってしょうがない。


けど、私の気持ちは変わらない。


咲さんがどれだけ桐生さんの事を好きだろうと、私も負けないくらい好き。


桐生さんが大好き。







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