魅惑の果実
マンションの部屋に戻り、買ってきた食材を冷蔵庫の中にしまった。


まだお昼には早いけど、お腹すいたし食べちゃおうかな。


リビングのテレビを点け、いいお値段のするお惣菜を食べた。


高いからなのか、料理してる人の腕がいいのか、使っている食材がいいのかは分からないけど、やっぱりここのお惣菜は美味しい。


でも桐生さんからしたら、この料理も普通なのかな?


だとしたらカレーを振る舞おうとしている私って無謀な奴かもしれない。


でも、もし美味しくなくても、桐生さんはきっと食べてくれる。


それに、たまに言葉のキツイ桐生さんだけど、汚い言葉や侮辱する様な事は言わない。


他の人に対しては分からないけど、私に対しては一度だってそんな事ない。


ってか桐生さんの事ばっかり考えてる……。


桐生さんを好きすぎる自分が怖い。



「よし、勉強するかな」



食べ終えたお惣菜の空をゴミ箱に捨て、ほんの少し気合を入れた。


あっ、でもその前に……。





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