魅惑の果実
ダメダメ!!


挫けるのは早いってば!!


こんなに本が沢山あるんだから、少しは理解できる本がある筈。


手に持っていた本を本棚に戻し、気合を入れ直して次の本を手に取った。


内容はちゃんと分からないにしても、桐生さんの好みは分かる筈。


そう思い何冊も手に取りページを捲った。


何度も同じ事を繰り返し、本を漁るのに没頭した。



「あぁ〜!! もう!! 桐生さんの頭ん中どうなってんの!?」



本を本棚に戻し、本棚に頭をついて項垂れた。


どの本も難しい言葉が並んでいて、数式だのパーセンテージだの心理だの……マジ訳わかんない。


次の本で最後にしよう。


それでやっぱりサッパリだったら本は諦めて違う物にしよう。


その時はブックカバーとかかな?


革で触り心地が良くて、デザイン性のあるものだったら使ってくれそうだし。


駄目元で最後と決めた本に手を伸ばし、本を開いた。


ページをパラパラと捲ってみるが、思っていた通りこれも全くの意味不明。



「あっ……」



本に挟まっていた紙が落ちて、慌てて拾った。









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