魅惑の果実
無性にキスがしたくて桐生さんの唇目掛けて顔を近づけた。


が!


唇同士が触れる寸前で止めた。



「どうした」

「いや……ピザ食べたばっかだから……」

「そんな恥じらい、お前も持っていたんだな」

「これでも一応女なん……っ!」



唇を塞がれ、何も言えなくなってしまった。


桐生さんの腰に抱きついてお腹に顔を埋めた。


桐生さんの笑い声が微かに聞こえる。



「耳が赤いな」

「煩い!!」



頭を撫でられ更にキュンっと胸が締め付けられる。


チラッと目を向けると、余裕の笑みを浮かべる桐生さんと目が合った。



「直ぐからかう」

「俺がいじめたいと思うのは美月だけだ」

「〜〜っ!?」



この人はいったい何なんだ。


キュン死寸前です。


一方的にからかわれてる事が悔しくて、体を起こして今度こそ私からキスをした。


長く絡まるキス。


けどやっぱり主導権は桐生さんが持っていて、キスに夢中になっていた私は気付けばソファーの上に押し倒されていた。






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