魅惑の果実
「お、降ろしてよっ!!」
バタバタと暴れると、桐生さんの手にぐっと力が篭った。
「いいから大人しくしていろ」
いつもの柔らかい口調で言われて驚いた。
桐生さんと目が合った途端に強張っていた身体から力が抜けていった。
さっきまで怖い顔をしていたのに、今は呆れたような顔をしていて、そんな顔をさせてしまっているのに、私の事で表情を変えてくれている事に酷く安心した。
桐生さんの首に手を回し、首元に顔を埋めた。
「ごめ、なさ……ぃ……」
泣きじゃくる私の身体をギュっと抱きしめてくれた。
凄く温かい。
こんな馬鹿な私に構ってくれるのは、愛があるからだよね?
いつも愛されてるのか分からなくて不安になる。
だけど信じてる。
矛盾してるのは分かってるけど、好きな気持ちはいつも変わらない。
「店長、莉乃の荷物を下まで持ってきてくれ」
「は、はい!!」
桐生さんが足を動かす度、身体がゆらゆらと揺れる。
揺り籠の中で包まれているみたいな、そんな安心感があった。
バタバタと暴れると、桐生さんの手にぐっと力が篭った。
「いいから大人しくしていろ」
いつもの柔らかい口調で言われて驚いた。
桐生さんと目が合った途端に強張っていた身体から力が抜けていった。
さっきまで怖い顔をしていたのに、今は呆れたような顔をしていて、そんな顔をさせてしまっているのに、私の事で表情を変えてくれている事に酷く安心した。
桐生さんの首に手を回し、首元に顔を埋めた。
「ごめ、なさ……ぃ……」
泣きじゃくる私の身体をギュっと抱きしめてくれた。
凄く温かい。
こんな馬鹿な私に構ってくれるのは、愛があるからだよね?
いつも愛されてるのか分からなくて不安になる。
だけど信じてる。
矛盾してるのは分かってるけど、好きな気持ちはいつも変わらない。
「店長、莉乃の荷物を下まで持ってきてくれ」
「は、はい!!」
桐生さんが足を動かす度、身体がゆらゆらと揺れる。
揺り籠の中で包まれているみたいな、そんな安心感があった。