魅惑の果実
第十四話 一時の安らぎ
酷いお酒の飲み方をした上に酷い量を飲んだ。
当然ながら頭はまだちゃんと働かない。
まともに真っ直ぐ歩く事も出来ない。
そんな私は桐生さんに腰を抱かれ、やっとの思いで部屋までたどり着いた。
リビングのソファーに座って項垂れた。
「私はこれで失礼致します」
「あぁ」
「は、蓮見さんっ! ありがとうございました」
ここまで荷物を運んでくれた蓮見さんにお礼を言うと、彼は静かに頭を下げてリビングを出て行った。
いつもながら綺麗な所作。
「水を飲め」
ペットボトルを受け取り口をつけた。
意外と喉が渇いていたのか、すごい勢いで水が減っていく。
「ぷはっ……」
半分も飲んじゃった……お腹タポタポ。
ペットボトルをテーブルの上に置き、ソファーの背もたれに背中を埋めた。
「それで? 俺に言う事はないのか」
「……あるよ、たくさんある……写真の女の人誰? 咲さんの気持ちだって気付いてるんでしょ? 私はこのまま側にいてもいいの?」
胸に溜め込んでた言葉が一気に溢れ出た。
言いたい事は言えたけど、流石に顔は見れなかった。
当然ながら頭はまだちゃんと働かない。
まともに真っ直ぐ歩く事も出来ない。
そんな私は桐生さんに腰を抱かれ、やっとの思いで部屋までたどり着いた。
リビングのソファーに座って項垂れた。
「私はこれで失礼致します」
「あぁ」
「は、蓮見さんっ! ありがとうございました」
ここまで荷物を運んでくれた蓮見さんにお礼を言うと、彼は静かに頭を下げてリビングを出て行った。
いつもながら綺麗な所作。
「水を飲め」
ペットボトルを受け取り口をつけた。
意外と喉が渇いていたのか、すごい勢いで水が減っていく。
「ぷはっ……」
半分も飲んじゃった……お腹タポタポ。
ペットボトルをテーブルの上に置き、ソファーの背もたれに背中を埋めた。
「それで? 俺に言う事はないのか」
「……あるよ、たくさんある……写真の女の人誰? 咲さんの気持ちだって気付いてるんでしょ? 私はこのまま側にいてもいいの?」
胸に溜め込んでた言葉が一気に溢れ出た。
言いたい事は言えたけど、流石に顔は見れなかった。