魅惑の果実
ケーキにナイフを入れると、イチゴがビッシリ詰まっていた。



「お皿見つかった?」

「うん、これでいいかな?」

「いいんじゃない?」



金縁の白のお皿。


お花の模様が入っていてお洒落。


京香さんの趣味かな?


アパレル関係って言ってたし、色々とセンスいいんだろうな。



「ケーキ幾らだった? 半分出すよ」

「実はケーキ代は健人君のお母さんが出してくれたから、私も出してないんだよね」

「え!? そうなの!? じゃあ後で健人にお礼言っとく」



お皿にケーキを盛り付けて、サンタやトナカイのシュガークラフトを其々のケーキの上にのせていく。


カットしても可愛い。



「あぁ〜!!」

「何!?」



急に明日香が大きな声を出すから、恥ずかしいくらい体がビクついた。



「写真撮るの忘れたぁ……」



分かりやすいくらい肩を落とす明日香。


カットしたケーキは今更元には戻せそうもない。



「もうしょうがないじゃん。 ケーキ持っていくよ」

「はぁい」






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