魅惑の果実
その日はお喋りしながらゲームして、プレゼント交換して……久しぶりに笑い死ぬかと思った。


プレゼント交換で私は翔のプレゼントが当たった。


ユニセックスの香水。


柑橘系の香りは嫌味がなくて、爽やかだった。


容器もお洒落で飾っても可愛いと思う。


クリスマスパーティー解散後、私はその足でお店に向かっていた。


この間の事を考えると気が重いけど、行くしかないもんね……。


ん?


鞄の中でケータイが震えだした。



「もしもし」

「お姉ちゃん? 今いいかな?」

「いいけど、どうしたの?」



美羽からの電話は初めてで、ちょっとビックリした。


いつもはメールなのに珍しい。



「せ、誠治君ってどんな人?」



成る程ね。


誠治の奴頑張って行動起こしたんだ。



「遊んでそうな感じだけど、根は真面目な奴だと思うよ? 何かあったの?」

「いや、あのね……初詣に一緒に行かないかって誘われてね……私どうしようかと思って……」



電話越しでも伝わってくる。


美羽の戸惑いと恥ずかしそうな感じが。





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