魅惑の果実
____……。


ふと目を覚ますと、見慣れない真っ白い天井が目に映った。


この臭い……そっか、ここ保健室だ……。


少し寝たら良くなると思ったけど、そんな事なかった。


寝る前と同じ。


体はまだ怠いままだ。



「美月〜起きてる?」

「起きてるよ」



カーテン越しに聞こえた明日香の声。


返事をするとカーテンが開いた。



「具合どう?」

「んー……ボチボチ」

「風邪かな? 荷物持ってきたから取り敢えず寮に戻ろう」



起き上がって鞄を受け取った。


冬休みが終わり、私たち三年生はもう授業が殆どない。


あっても午前中だけとか、後は自由に授業をとったり、自習したり。


寮に戻って部屋に入った途端更に気分が悪くなった。


ムカムカする。


っヤバ……っ。


トイレに入って嘔吐してしまった。



「美月!? 大丈夫!?」

「……大丈夫……ちょっとスッキリした」



ソファーに座って熱を測るも熱はない。


まだ気持ち悪さは残る物の、食あたりを起こすような食べ物を食べた記憶もない。


ストレス?





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