魅惑の果実
もう直ぐ四歳になる息子の帝は小さいながらに私の事を思ってかワガママを言わない。
優しくて聞き分けが良くて、手が掛からない。
保育園の連絡ノートを見ても、友達と喧嘩をしたり、先生を困らせたりもないようだ。
我慢させてるんじゃないかとたまに心配になる。
「おはようございます」
契約社員で勤めている大手広告代理店。
総務部で毎日似た様な仕事をしている。
ここに勤められたのも美香ちゃんのおかげ。
美香ちゃんが夜働いていたクラブのお客さんのコネ入社。
大学を出ていない私が普通に面接を受けても入社なんて絶対にできなかった。
コネなんて本当は嫌だったけど、帝の事を思うとそんな事は言っていられなかった。
早く働きたかったし、帝には保育園で友達をつくって欲しかった。
会社の制服に着替え、今日もまた雑務に追われた。
「美月、お昼行こう」
「うん」
同じ時期に入社した伶奈(れな)とは気が合い、プライベートでもたまに会う。
子供が居ることは会社ではおおっ広げにしていない。
伶奈も誰にも言わないでいてくれている。
優しくて聞き分けが良くて、手が掛からない。
保育園の連絡ノートを見ても、友達と喧嘩をしたり、先生を困らせたりもないようだ。
我慢させてるんじゃないかとたまに心配になる。
「おはようございます」
契約社員で勤めている大手広告代理店。
総務部で毎日似た様な仕事をしている。
ここに勤められたのも美香ちゃんのおかげ。
美香ちゃんが夜働いていたクラブのお客さんのコネ入社。
大学を出ていない私が普通に面接を受けても入社なんて絶対にできなかった。
コネなんて本当は嫌だったけど、帝の事を思うとそんな事は言っていられなかった。
早く働きたかったし、帝には保育園で友達をつくって欲しかった。
会社の制服に着替え、今日もまた雑務に追われた。
「美月、お昼行こう」
「うん」
同じ時期に入社した伶奈(れな)とは気が合い、プライベートでもたまに会う。
子供が居ることは会社ではおおっ広げにしていない。
伶奈も誰にも言わないでいてくれている。