魅惑の果実
土曜日の夜、久しぶりに明日香のお家に来ている。



「お庭使っちゃって本当にいいの?」

「いいの、いいの! お母さんにはオッケーもらってるし、問題ないって!!」



二年前に建て終えた、まだ新しいお家の匂いがする明日香の実家。


お庭も広くて綺麗。


今のご時世、外で花火をするのは何処も決まりが厳しい為、明日香の実家のお庭を借りる事になったんだけど、ちょっと気が引ける。



「翔君から連絡来た時は本当にビックリしたよ! てか帝の事もいいの?」



明日香の膝の上でテレビを見ている帝の頭を撫でた。


テレビに夢中な帝は気にも留めない。



「ずっと隠すのは無理でしょ? だったらさっさと言っちゃうよ。 てか、今日ママさんたちは?」

「この間結婚記念日だったから、この土日でどっか泊まりに行ってるよ」

「相変わらず仲良しだね」

「中学の時はそうでもなかったんだよ? 急に仲良くなっちゃって、どぉしたの?って感じ」

「仲が良い事は良い事じゃん」

「まぁね」



明日香の家族は理想の家族って感じ。






< 370 / 423 >

この作品をシェア

pagetop