魅惑の果実
二人を家の中へ招き入れた。



「これ、良かったら食べて」



コンビニの袋の中にはちょっと高めなアイスのカップが幾つか入っていた。



「アイスだぁ!!」

「ご飯食べたらね」

「うん!」

「二人にお礼は?」

「ありがとぉ〜〜!!」



アイスを冷凍庫にしまい、二人にお茶を出した。


それにしても、二人揃って訪ねてくるなんて珍しい。



「ごめん、夕食二人分しか用意してなくって……」

「ううん! 夕食は後で二人で食べに行く事にしてるから気にしないで! こんな時間にお邪魔しちゃってごめんね」

「いいよ、それより今日はどうしたの?」



二人は顔を見合わせると幸せそうに微笑んだ。


どうやらいい報告をしに来てくれた様だ。



「実はつい先日婚約したの」



左手の薬指にはめた指輪を見せてくれた。



「美羽が大学卒業したら、結婚する」

「そっか……美羽の事これからも宜しくね」

「俺もまだまだ一人前にはなれないけど、自分にできる精一杯で美羽を幸せにしたいと思ってる」

「頼りにしてるよ」







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