魅惑の果実
私は悩みに悩んだ結果、数年ぶりに夜の街に戻ってきた。


っと言っても、完全ヘルプのお店が忙しい時限定ホステス。


以前働いていたところにお願いするわけにはいかず、美香ちゃんがずっと働いていたクラブで雇ってもらう事になった。


お店に入る日は明日香の実家で帝を預かってもらっている。


昼間は契約社員でボーナスは出ない。


親子二人で生活するにはギリギリで、貯金もちょいちょい使ってる。


少しでも稼げる時に稼いでおかないと、いざという時に困る。



「美月さん、少しは慣れた?」

「まだ緊張しますけど、皆さん良くして下さるので、なんとかやれてます」

「分からないことがあれば何時でも聞いてね」

「はい、ありがとうございます」



お店の店長の飯田(いいだ)さんも良くしてくれる。


話に聞いていた通り高級クラブで、客層も上品でキャストも綺麗で知的な人ばかり。


ヘルプだけど、まさか私がこんな凄いお店で働けるとは思ってなかった。


それにお給料だってヘルプとは思えないくらいいい金額。


美香ちゃんに感謝。






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