魅惑の果実
寮に戻り直ぐにシャワーを浴びた。


シャワーを浴びてる時が一番落ち着く。


最近湯船に浸かってないな……。


今度寮の大浴場にでも行くかなぁ。


シャワーだけじゃなくて、部屋にもお風呂造ってくれればいいのに。


バスタオルを身体に巻き、部屋に戻ると、携帯を渡された。



「携帯ブーブー言ってたよ〜」

「あ、うん。 ありがと」



携帯片手に髪の毛をタオルで拭きながら、狭いリビングの椅子に腰掛けた。


客からの電話とメールが数件入っていた。


折り返し電話を掛けると、ワンコールで相手は電話に出た。


待ってましたって感じがしてドン引き。



「もしもし? さっきは電話に出られなくてごめんなさい」

「今日食事しない?」

「今日はごめんなさい。 先約が入ってるんです……」



今日の今日で同伴出来ると思ってんの!?


そんなに暇な女じゃないっつの!!



「今週は厳しくって……来週はいかがですか?」

「残念だけど、しょうがないか……じゃあ来週の火曜日はどうかな?」

「来週の火曜日なら大丈夫です」

「近くなったらメールで詳細送るよ」

「はい、楽しみにしてますね」



電話を切り次の客へ電話をかけ、終わればメールの返信をした。





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