魅惑の果実
この日は政臣の腕に包まれ眠りについた。


幸せと安堵感の中、熟睡してしまった。


そして次の日の朝は蓮見さんの運転する車で送ってもらい、政臣も一緒についてきてくれた。



「帝に話しするね。 そしたら連絡する」



正直帝に話しをするのは怖い。


まだ小さいけどしっかりしてる子だ。


父親の話を聞いてどう思うだろうか。



「帝の反応がどうであれ、一度会いたい。 俺はお前達との未来を諦める気はない」

「政臣……ありがとう」



不安が顔に出ていたのかもしれない。


政臣は両手で私の顔を包み込むと優しいキスをした。


私は目を閉じそれに応えた。


暫くして明日香の実家の前で車が止まった。



「直ぐに連絡するね」

「あぁ、分かった」



まだ名残惜しさを感じながらも私は車を出た。


明日香の家のインターホンを鳴らすと、明日香のママが玄関のドアを開けてくれた。



「おはようございます。 昨日は帝の面倒見てくださってありがとうございました。 それから、帰るのが遅くなってすみません」

「あら、いいのよ。 たまには息抜きも大事でしょう? それより朝ご飯は食べたの?」

「あ、いえ」

「それなら今帝が食べてるから、一緒に食べちゃいなさい」



明日香ママの優しさに感謝しながらリビングに向かった。






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