魅惑の果実
朝食を作り終え、テーブルに並べた。


朝はいつも和食。


政臣は仕事で外食が多いから、せめて家にいる時は身体に良いものを食べてもらいたい。


さて、二人を起こしに行きますかね。


エプロンを外して寝室に向かった。


こ、これは……!


見事なシンクロ!!


二人で同じポーズとか反則でしょ!!


_カシャッ!!



「んっ……何の音だ?」

「え? 何が? あ! ご飯できたから起きてよね!!」



慌ててケータイをポケットに入れた。


写真を撮ったのは秘密にしておこう。


絶対消せって言われるし。



「帝! 朝だよ!! 起きて!!」

「ん〜〜はい……」



帝はムクッと起き上がると、寝ぼけ顏で目を擦った。


そして手を仰がせ、ここ最近の毎朝恒例が始まった。



「おはよぉ……」



私の少し膨れたお腹に耳と手をつき、朝の挨拶。


初めてこれをやられた時はキュン死するかと思った。


帝に赤ちゃんは男の子と女の子どっちだと思う?と聞いたら、元気よく『男の子!!』と答えていた。


出産後のお楽しみという事で、性別は聞かないでおこうという事になったから、産むまでわからないけど、帝があまりにもハッキリ言うから男の子かもという気がしてる。





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