魅惑の果実
桐生さんのいるVIPルームに戻ると、まだワインを飲んでいる桐生さんと目が合った。
「た、ただいま……」
ジーっと顔を見られ、緊張が走る。
化粧直しもしたし、髪型もチェックしたし……変なところなんてないよね?
「莉乃、ここに座れ」
「え……うん……」
言われるがまま桐生さんの隣に腰掛けた。
いつもは正面から見ている桐生さんの顔。
横顔をこんなにまじまじと見たのは初めて。
首筋がとてもいやらしくて、ぞくっとした。
「何かあったのか?」
「え? いや、何もな……」
「泣きそうな顔をしている」
っ……。
嘘……トイレで確認した時はそんな事なかったのに。
桐生さんの顔を見てホッとしたのかな?
「桐生さん……」
「何だ」
「桐生さんは……悪い人、なの……?」
私の顔を静かに見つめた後、ふっと口元を緩める桐生さん。
どうしていつもそんなに余裕でいられるの?
私はいつもこんなに焦ってるのに……。
「どう思う?」
「……悪い人だなんて思わない……思いたくない」
「そうか、お前は可愛いな」
いつもそうやってはぐらかす。
でもそんな桐生さんが好き。
「た、ただいま……」
ジーっと顔を見られ、緊張が走る。
化粧直しもしたし、髪型もチェックしたし……変なところなんてないよね?
「莉乃、ここに座れ」
「え……うん……」
言われるがまま桐生さんの隣に腰掛けた。
いつもは正面から見ている桐生さんの顔。
横顔をこんなにまじまじと見たのは初めて。
首筋がとてもいやらしくて、ぞくっとした。
「何かあったのか?」
「え? いや、何もな……」
「泣きそうな顔をしている」
っ……。
嘘……トイレで確認した時はそんな事なかったのに。
桐生さんの顔を見てホッとしたのかな?
「桐生さん……」
「何だ」
「桐生さんは……悪い人、なの……?」
私の顔を静かに見つめた後、ふっと口元を緩める桐生さん。
どうしていつもそんなに余裕でいられるの?
私はいつもこんなに焦ってるのに……。
「どう思う?」
「……悪い人だなんて思わない……思いたくない」
「そうか、お前は可愛いな」
いつもそうやってはぐらかす。
でもそんな桐生さんが好き。