魅惑の果実
店長が持ってきてくれた烏龍茶を飲み干し、少し酔いがさめてきた。
「今日の桐生さん変」
「何だ、突然」
「だっていつもほど意地悪じゃない」
「虐めてほしいのか?」
「そうじゃないけど……調子狂う」
ワインを飲み終えブランデーのロックを飲んでいる桐生さん。
グラスの中の氷が溶け、カランっと音を立てる。
「今日は大切な人の命日だった……お前に気付かれるなんて、俺もまだまだだな」
「大切な人って……女の人?」
「あぁ」
聞かなきゃ良かった。
そばにいなくても、桐生さんが心を乱すほどまだ想われてる。
もうこの世にいない知らない女性に嫉妬してしまう。
ねぇ桐生さん、淋しいの?
心の隙間を埋めるなら誰でもいいの?
「この後の予定は?」
「特に決めていない」
「じゃあアフター行こうよ!!」
「子供は早く帰って寝ろ」
何よ。
子供扱いしなくたっていいじゃん。
「じゃあ小西さんのアフターに行くからいいよ。 っ!?」
突然顎を掴み上げられ、ドキッとした。
すぐそばまできている桐生さんの顔。
桐生さんの目から視線を反らせなかった。
「今日の桐生さん変」
「何だ、突然」
「だっていつもほど意地悪じゃない」
「虐めてほしいのか?」
「そうじゃないけど……調子狂う」
ワインを飲み終えブランデーのロックを飲んでいる桐生さん。
グラスの中の氷が溶け、カランっと音を立てる。
「今日は大切な人の命日だった……お前に気付かれるなんて、俺もまだまだだな」
「大切な人って……女の人?」
「あぁ」
聞かなきゃ良かった。
そばにいなくても、桐生さんが心を乱すほどまだ想われてる。
もうこの世にいない知らない女性に嫉妬してしまう。
ねぇ桐生さん、淋しいの?
心の隙間を埋めるなら誰でもいいの?
「この後の予定は?」
「特に決めていない」
「じゃあアフター行こうよ!!」
「子供は早く帰って寝ろ」
何よ。
子供扱いしなくたっていいじゃん。
「じゃあ小西さんのアフターに行くからいいよ。 っ!?」
突然顎を掴み上げられ、ドキッとした。
すぐそばまできている桐生さんの顔。
桐生さんの目から視線を反らせなかった。