木からlove
「あんたが桂木鈴奈?
ちょっと来て。」
連れてこられる場所はいつも同じ。
私の好きな場所。
ここは人通りが少なく、上から見ても木の葉っぱで人影は見えない。
この学校唯一の穴場だ。
だから呼び出しに使われちゃうんだけど。
「私の彼氏。
安岡って知ってる?」
着いたとたん聞かれた。
出たよ。
知らない名前出してくる人。
この人の彼氏か。
「知らないです。」
「んなわけねーだろ。ふざけんな。
この間、アイツが階段で
お前に声かけてんの見たんだよ。」
そんな事言われたって…
声かけてきた人なんていちいち覚えているわけがない。