2人のカタチ
「おぉ、いいじゃん。どうやって渡す?」
直か、下駄箱に入れておくのが無難。
でもまきはそんな勇気ないし。
どうせなら、もうめちゃくちゃにして捨ててしまいたい。
でも、それすらせずに、迷ってる。
弱いなあ。
これを渡せば、今までどおりには戻れない。
って言っても元々3年になってから話してないし。
大丈夫、大丈夫。
「どうにかする」
確実な手を、思いついた。
咲は頑張れと、手を振って、教室を出て行った。
部活への足取りは凄く重くて、頭の中は告白のことでいっぱいだ。
「あのさ、お願いがある」
吹奏楽部のメンバーの1人を呼び止める。