2人のカタチ
「ん?何?」
「これ」
「手紙?」
「中身見て」
半分に折ったルーズリーフを開いたその子は、目を丸くした。
え、どうしたのって感じで。
でも、3年になったら告白した言って前々から言っておいたし。
そこまで驚かれると恥ずかしいなあ。
恥ずかしくて、目を見ることも出来なかった。
「渡して欲しいと?」
「うん」
その子は正臣と同じクラスで、小学校も同じだったから仲が良い子。
この子に頼めば早いやって思った。
そしたら、音楽室の扉を開けて目の前で走っている陸上部へ飛び込んでいった。
4月30日、1つの恋が動いた。
外は土砂降りで、陸上部は吹奏楽部の部室の前で中で練習。
正臣は陸上部だ。