2人のカタチ
「どうしたの?」
らんこと、ユリは同時に抱きついてきた。
フワリと香る2人のシャンプー。
その瞬間、嫌な予感がした。
「クラス、3人ともばらばらだよ~」
「超、最悪ーー!」
らんこは、彼氏とも離れたって言ってたし、結構落ち込んでる様子。
ユリに限っては何かイライラしてて。
この学校の3年は3組に分かれていて、らんこは1組。
ユリは2組、まきは3組。
見事に3分の1の確立でみんなが離れてしまった。
“ユリとらんことは同じクラスにしてね”
先生は笑って分かったって言ったのになあ。
3人ともばらばらとかイジメじゃん。
泣き言ばかり言うまきを他所に、2人は同じクラスの女子と盛り上がっていた。
とりあえず、自転車を置いて、もう1度自分の目で確かめる。
3組の紙に載るまきの氏名。
あーあ、本当に違うクラスなんだ。
まきは、仲良い女子もいないし。
最悪。
そう思うと、涙がこみ上げてきた。