2人のカタチ
震えた文字
始業式から何日か経った今、4月が終わろうとしていた。
吹奏楽部では副部長として大忙しだし、クラスになじむ事で必死。
みんな、まきが正臣を好きだと知ってるからからかって来るし。
桜の木はもう、青々とした緑色の花に変わっていた。
ハートは消えた。
最初の席替えで隣になったのは、大嫌いな奏汰。
本当に嫌いだった。
それでも、まきは仲良くなりつつあった。
“ホント、ごめん”
って謝ってたから、許そうとして。
そしたら、まきの愚痴を全て聞いてくれる。
全然面白くない時に「暇」って呟けば話題を考えてくれる。
正臣の事も知ってるし。
協力もしてくれる。
結構良い友達になれた気がした。