- 黒 の 魔 法 -
「姫、いい加減にやめろ!」
「うるさい!!」
いつもと違う四條君の声も私には届かない。
「ここで止めなければ、人を殺すことになるんだ!」
「それでもいい」
憎い、冬馬を早く、殺したい。
ーーパンッ
頬に痛みを感じた。
「何をする!」
「今、痛いと思ったのなら考えろ!こいつは君の攻撃で何百倍の痛みで苦しんでいるんだ!」
そして、大きく息を吸った。
「何がヒーローで、何が悪者か勝手に決めてはいけないんだ‼︎」
決めてはいけない…
冬馬が悪いって、勝手に決めた。
私が一部しか見ていない動画を全部知ったかのようにしていた。
氷の死神と言われていた冬馬でも変わることはできるよね?
空を見ると、曇だった天気は
晴れになっていた。
私はそっと目を閉じた。