- 黒 の 魔 法 -
目をあけるとそこは
学園の保健室。
「リアー!もう心配したんだからねっ!」
すずが鼻水を垂らしながら泣いている。
「すずのおかげで戦えたよ」
「リア、大丈夫か?」
包帯を巻いている遊馬君の方が…
「そっちこそ、大丈夫?」
「リアー!僕もね、戦ったんだよ!」
なぜ、そんなにニコニコしてるんだ!
「レオのおかげだね!勝てたのは」
「リア様…大丈夫ですか?」
「少しだけ心配したぞ」
「心配してくれてありがと、ハク…コク…」
「姫、ちょっといいすぎました。すみません・・・」
「え、私四條君に何言われたっけ?」
「覚えてないんですか?」
「四條君が戦わずに、私たちを見ていたのは知っているよ?」
「ちょっ!それとこれとは別ですよね?・・・」
ショボーンとする四條君がおかしかった。
「うそだよ、覚えてるよ。四條くん、ありがとう。
みんなありがとう」
「あたりまえだ。もう勝手に泣くな。」
「うんっ!!」
今日泣いた涙は私にとって初めてのうれし泣きだった。