- 黒 の 魔 法 -
休み時間になると毎回、他クラスの子や、先輩に呼ばれる。
ついて行くと、「きもい」だの「遊馬様に近づく」だの「四條様とは釣り合わない」だの。
時々、殴られる。
そんな毎日が一週間ほどつづいた。
朝、私はいつものようにすずを待つ。
だが、8時を過ぎても現れない。
心配になり、ドアをノックした。
「すず?遅刻するよ?」と言った。
「やだ…行きたくない!」とドアの向こうから返って来た。
私は恐る恐るドアを開けると
そこには赤く腫れた頬のすずが隅っこに体育座りをしていた。