- 黒 の 魔 法 -
悪夢の名の過去
それから数週間たった今日。
6月21日のことだった。
「そろそろ、寝ようか…」
私はいつものように11時にベッドで寝た。
彼女は忘れていたのだ。
“幸せ”という名の物のせいで
“闇”という名の物を忘れていた。
そして、私は深い深い眠りについた。
少ししてからの事だった。
ゆっくりと、ゆっくりと開いていくドア
音のないリアの部屋にトコトコと
足音が聞こえる。
だが、彼女は気づかなかった。