- 黒 の 魔 法 -


「だめだよ。」と優しい声で言う、少年。


リアはレンレンかと思い、


「レンレン‼︎」と叫んだが、違う人だった。


「レンレンじゃないよ。僕の名前は冬馬(とうま)。」


白い髪の少年はリアの手からゆっくりとガラスの欠片を取った。


「と、うま?」


「そう、冬馬だよ。君の名前は?」


「リア!黒木、リア」


リアは一人ぼっちじゃないことに喜び、元気良く名前を言った。


「そっか、リアか。じゃ、リアは僕のお姫様だね。」


リアは冬馬の意味がよく分からなかったが、一人ぼっちは嫌なので


「うん、じゃぁ、冬馬は王子様ねっ」


と答えた。


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