- 黒 の 魔 法 -

ーーーピピッ、ピピッ


リアは目覚ましの音で目を覚ました。


「はぁ、はぁ、はぁ、」

息が荒い。


額からの汗は止まる気配もしない。


すると、ハクが「どうしたの?」と聞く。


「わ、…かんない、昔、思い出し…はぁ、はぁ、」


ハクの後から出てきたコクは優しい声で
「リア様、落ち着いて。」と言った。


「ありが、と」


私は大きく深呼吸した。



また、懐かしい感じがした。

なんで、昔のことが夢に…



私はカレンダーを見た。


そっか、昨日は“あの日”だったんだ。


“恐怖のあの日”


忘れるしか傷を癒す事ができない。


忘れるのは本当に難しいこと。


あれを思い出す日が来るなんて…

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