- 黒 の 魔 法 -
ーーーコンコン
ドアを叩く音がする。
「リアー!遅刻しちゃうよー‼︎」
すずの声が聞こえた。目覚まし時計を見ると、8:10と表示されている。
急いで着替えてドアを開けようとする。
「あれ?ドアの鍵開けっ放しだったっけ?」
嫌な予感がした。
ーーーガチャ
「すず、行こっか」
何もなかったように笑うリア。
「う、うん…」
この時、すずはリアが、いつもと違うことに気づいたのだった。
「どうしたの?すず?」
リアが聞いたのは、すずが立ち止まったからだ。
「う、ううん。何でもないよ!さぁ、急ごう!」
二人は走り出した。