- 黒 の 魔 法 -

「多分?」


「これは…ちょっとした悪戯よ」


「へ?なんでそう思うの…?」


私はくるっとラジオの向きを変えた。


「きゃあああぁぁぁぁぁ」


「ひっ‼︎」


相変わらずビビリだね、と思った。


そして、向きを戻した。


「…」


「あのね、これは誰かがこの古いラジオに魔法をかけたの。そして、廊下の方にセンサーを向けて、通るたびに悲鳴がなるようにしたの。わかった?」


「その、誰かって…?」


多分…あの人に違いない。


すずは逃げる用意をやめた。


「魔法は…闇だと思うの。ちょっと待ってね‼︎」


私は部屋の隅にいき、こう唱えた。


「黒証(くろあかし)」


この魔法は残ったもので(指紋、食べカスなど)で犯人を見つけるためのもの。
時には、罠とか、人探しにも使われる。


今回は、“闇の魔法”という残った証拠を使い、犯人を見つける。それは映像で見える。


「…すず、分かったわ」


やっぱり、あの人だったんだね。


「…誰だったの?」
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