- 黒 の 魔 法 -

「じゃ、じゃぁ、いつ悪戯したの?」


「先生が…学生時代の頃」


「そんな前から⁉︎」


「そーだ‼︎昔の校長はびびってこの部屋に入れなかったんだ!今のは気づいているがな!」


さらに、胸を張る。


「先生、それ自慢することですか?」


「はははは‼︎まぁいい、今日はもう帰っていいぞ!」


「そりゃ、そうですね。掃除終わったんですから。」


私は周りを見渡す。


ホコリだらけの汚い茶色の部屋から


白い床、白い壁、白い机、白い本棚が見える。


「ははは…黒木冷たいなぁ…」


先生は胸を張るのをやめて、シュンと小さくなった。


「じゃ、すず行こっか。」


「う、うん‼︎」


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