- 黒 の 魔 法 -

「リア、綺麗になったね」


「冬馬は変わってないね」


見た目は変わったかもしれない。でも、中身は変わっていなかった。


「そう?僕、強くなったんだよ。」


冬馬は空に手を伸ばし「見てて」と言うとにっこりと笑った。


「白雷(はくらい)」


すると、雷が天に向かって行く。


白い竜のように美しく。


「どう?成長したでしょ。リアの魔法も見たいな」


「…わかったわ。」


「黒雷(くろらい)」


私は冬馬が作った竜のような雷に向かって唱えた。


すると、黒い竜のような雷が天から黒い竜は白い竜にめがけてぶつかる。


ーーヒュン、バンッ


まるで雪が降っているかのように白い竜は粉々になって消えた。


「綺麗だけど…リア、僕に喧嘩でも売ってるの?」


冬馬は黒い笑顔で私を上から見てくる。


「…」


「ねぇ、リア?」


そう言いながら、一歩ずつ私に近づいてくる。


怖い…


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