君を抱く手なのに傷付けそうで


「チョコに、バニラに、ストロベリー。継実さんは案外甘いもの好きなんですね」


今までの統計から結論付ける彼女だが、それは他でもない彼女が甘党なだけだった。


「千花は俺と会う前に、よく甘いものを食べてるよね」


「来る途中に、ジェラートのお店あるんでついつい」


今度から、冷凍庫いっぱいのジェラートが俺の部屋に出来るだろう。


「メガネ外すと、何にも見えないんですよね」


「少なくとも、眼前での『あっかんべー』は見える」


「『あっかんべー』って、なんか古いっ。そうして爽やかイケメンには似合わない言葉ですねー」


笑われ、べーと出された舌が俺の唇を舐めた。


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