君を抱く手なのに傷付けそうで
「泊まっていけば?明日、朝一で車で送るけど?」
「継実さんと一晩一緒にいるとムラムラするんでダメです」
「起こすよ」
「起き上がれなくなります」
凄い言葉を吐かせてしまった。
バックを手に取ろうとする彼女。遅いし、俺が送っていくのはいつものことだけど。
「昼間、何してた」
口から溢れた言葉に後悔する。
バックを取り損なう彼女は、キョトンとこちらを見た。
「何って、今日も今日とて勉学に勤しみましたが」
「大学終わったあとは」
立ち上がる彼女を抱きすくめる。腕の中、彼女がため息を吐いた。