君を抱く手なのに傷付けそうで


「邪魔?」


「邪魔しないように、してあげますよ」


悪気はない、いたずらっ子の笑みが俺の前に。


膝上に乗られ、肩に両腕を置かれた。


彼女が落ちぬよう腰に手を回せば、「へんたいだー」と言われてしまった。


「明日は朝から講義なんで、今日はダメですよ」


「この状態で、その発言はきついな」


「だから、これで満足してください」


口付けをする前、メガネを手に取る彼女。


「変身ー。知的イケメンが爽やかイケメンになりましたねー」


「どっちが好み?」


「どっちもです」


待ち望んだ口付け。知らず彼女の腰にあった手が背中に回り、きつく締め上げる。


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