夏の空の下
「着いたよ、起きろーう。」



のんびりとした声に起こされる。



親友の亜紀だ。



「痛いよ亜紀ー」



「涼音が寝てるのが悪いんでしょ」



電車が速度を緩めて、駅のホームに滑り込む。



私と亜紀は混み合った電車の中をかき分けて、ホームに降り立つ。



「うはぁっ!」



秋の涼しい空気を吸いながら、伸びをする。



手が通勤中のおじさんに当たって、露骨に嫌な顔をされる。
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