狼達に捧げる歌
ロイ「お嬢さんはさ、町で暴れてる俺等を倒しに来たんだろ?」


マリヤ「そうよ!」


クラウディ「俺らが暴れんのだって理由があんだよ!!」


クラウディが唸りながら言う。


マリヤ「理由?」


レイン「このところ、森の食糧が急激に減ってる。」


ウル「それは、人間の森の伐採が原因だっ!」



ロイ「森が減れば魔物だけじゃない。人間だって動物だって植物だって全員困るんだ。」


レイン「森は空気を浄化してくれるし、動物も水も育む。」


クラウディ「人間は目先の欲に囚われて自分らの首も動物の首も絞めてる。馬鹿な連中だよ!」


ロイ「自分達の為だけに自然を壊して生き物の住家を奪う。人間は魔物より残酷だ。」


クラウディ「わかったらさっさと帰んな。」


マリヤ「私、帰れません。」


クラウディ「あ?」


マリヤ「ここに残らせてください。」


マリヤは土下座して頼みこんだ。


「そこまで言うんだったらここに残ってもいいよ。」


レイン「ロイ?!」


クラウディ「正気か?人間を森に残すなんて。」


ウル「はやく追い出そうよ!」


ロイ「彼女は人間の罪深さを理解したんだ。だったら良いだろ。」
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