君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
藤原さんってば意外に親バカになるタイプなのね。
「いやいや、今のご時世赤ちゃんタレントがいるくらいだからな。気は早く持った方がいいんだよ」
「そうですか。...お幸せそうで何よりです」
なんだ。
やっぱり私の思い違いだったみたいね。二人はラブラブじゃない。
そんなことを思っているとあっという間に営業部のある七階へと辿り着いた。
「じゃあまたな、櫻田」
「はい」
ドアが開かれ、藤原さんがエレベーターから降りようとした時、
「あー!部長ってばどこに行ってたんですか!?」
聞こえてきた可愛らしい声。
「中山!」
中山?
咄嗟にエレベーターの【開】ボタンを押して見てしまった。
「酷いじゃないですか!私を置いていくなんて」
「人聞き悪いな。ちゃんとメモを残して行っただろ?」
「あんな小さなメモではなくて、ちゃんと私に直接言って下さい!私は部長の秘書なんですから!」
そう言いながら可愛らしく藤原さんの背中を数回叩く中山さん。
うわぁ。なんて自然なボディータッチ。あの技術、是非伝授してもらいたいくらいだわ。
って!!そんな呑気なことを考えてる場合じゃなくて!
「藤原さん!」
思わず呼び止めてしまった。
「あれ?なんだ櫻田。まだ行ってなかったのか」
足を止め、振り返ってくれたはいいものの。当然中山さんも私を見てくる。
どっ、どうしよう。呼び止めたはいいものの...。
「櫻田?」
「あっ!...あの!私、けっこう暇しているんで皆さんで飲みに行く時は、是非声を掛けて下さい」
「了解」
ふー。なんとか誤魔化せたかしら。
一礼し、【閉】ボタンを押す。
そして扉が閉まっていく中、見えた光景。
それは背を向け歩き出した藤原さんの姿と、私に向けて敵意を剥き出しにした中山さんの姿。
ドアは完全に閉まり、上がっていく。
「...あれはやっぱりどう見てもそうなのかしら」
ボディータッチ。
私への敵意。...つまり中山さんは藤原さんのことが好きってこと?
いやいやいや!
だって藤原さんと橘さんが結婚していることは、秘書課と営業部の人間なら誰だって知っていることだし、藤原さん仕事中もちゃんと薬指に結婚指輪はめているし...。
どうなの?
普通だったら好きになってもこの時点で諦めると思うんだけど、今の二十代の若い人は違うのかしら?
「いやいや、今のご時世赤ちゃんタレントがいるくらいだからな。気は早く持った方がいいんだよ」
「そうですか。...お幸せそうで何よりです」
なんだ。
やっぱり私の思い違いだったみたいね。二人はラブラブじゃない。
そんなことを思っているとあっという間に営業部のある七階へと辿り着いた。
「じゃあまたな、櫻田」
「はい」
ドアが開かれ、藤原さんがエレベーターから降りようとした時、
「あー!部長ってばどこに行ってたんですか!?」
聞こえてきた可愛らしい声。
「中山!」
中山?
咄嗟にエレベーターの【開】ボタンを押して見てしまった。
「酷いじゃないですか!私を置いていくなんて」
「人聞き悪いな。ちゃんとメモを残して行っただろ?」
「あんな小さなメモではなくて、ちゃんと私に直接言って下さい!私は部長の秘書なんですから!」
そう言いながら可愛らしく藤原さんの背中を数回叩く中山さん。
うわぁ。なんて自然なボディータッチ。あの技術、是非伝授してもらいたいくらいだわ。
って!!そんな呑気なことを考えてる場合じゃなくて!
「藤原さん!」
思わず呼び止めてしまった。
「あれ?なんだ櫻田。まだ行ってなかったのか」
足を止め、振り返ってくれたはいいものの。当然中山さんも私を見てくる。
どっ、どうしよう。呼び止めたはいいものの...。
「櫻田?」
「あっ!...あの!私、けっこう暇しているんで皆さんで飲みに行く時は、是非声を掛けて下さい」
「了解」
ふー。なんとか誤魔化せたかしら。
一礼し、【閉】ボタンを押す。
そして扉が閉まっていく中、見えた光景。
それは背を向け歩き出した藤原さんの姿と、私に向けて敵意を剥き出しにした中山さんの姿。
ドアは完全に閉まり、上がっていく。
「...あれはやっぱりどう見てもそうなのかしら」
ボディータッチ。
私への敵意。...つまり中山さんは藤原さんのことが好きってこと?
いやいやいや!
だって藤原さんと橘さんが結婚していることは、秘書課と営業部の人間なら誰だって知っていることだし、藤原さん仕事中もちゃんと薬指に結婚指輪はめているし...。
どうなの?
普通だったら好きになってもこの時点で諦めると思うんだけど、今の二十代の若い人は違うのかしら?