君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～
「このまま一緒にいたって冷静に話なんてできませんから！」

私のことを信用してくれていない圭吾さんと何を話したって変わらないわよ。

「…分かった。好きにしろ」

冷たい言葉と同時に解かれる腕。
そのまま圭吾さんは一度も私を見ることなくリビングへと戻って行ってしまった。

「…言われなくても勝手にします…！」

さっきまであんなに我慢していた涙は一気に溢れ出す。

ごしごしと涙を拭い、すぐに家を出た。
バタンッとドアが閉まる音が響き渡る。

なによ、圭吾さんってば！いい歳してそんな子供みたいなやきもちやいちゃって…！

エレベーターはすぐに到着し、乗り込む。

「…圭吾さんのバカ」

ただ好きって気持ちは何一つ変わらないのに…。

マンションの外に出ても涙は止まることなく溢れ出す。



１０代、２０代の頃はまだまだ子供で大人な恋愛なんてできないって思っていた。
だけどそんなの３０代になったって変わらないんだ。

いくつになったって大人になんてなれないのよ…。



これからどうしたらいいのかなんて分からず、涙が止まるまで夜の街を彷徨っていた。
< 227 / 368 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop