君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
私の見えないところで二人がどんな会話をして、どんな風に一緒に仕事をして。そんなことを想像するだけで苦しかったから。
だから別れを選んだのかもしれない。

それなのに、な。圭吾さんの気持ち一番私が分かっていたはずなのに、どうしてもだめだった。

圭吾さんにあんな酷いことを言ってしまった。

過去は変えられないって分かっている。問題はその過去とどう向き合うべきなのかってことも。
それは私にとっては、きっと大貫さんと圭吾さんが本当にお互い大切に思っていたってことを、しっかりと受け入れることだってことも分かっている。
分かっているのにそれができないのは、私っていう人間の器が小さくて、まだまだ考え方が子供で。そして女としてのプライドが高いからなんだろうな。

隣にいる副社長に聞こえないよう小さな溜息を一つ漏らし、もう一度スケジュールを確認しようと思い、手帳を開いた。

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「疲れた…」

一日目が終わり、副社長と別れ自分の部屋に入るとどっと疲れが押し寄せてきて、スーツ姿のままベットに倒れ込んだ。

知らない土地、知らない人。それだけでいつもの倍以上は疲れてしまう。

寝ころんだままポケットの中から電源を切ったままのスマホを取り出す。
すぐに電源を入れてメール問い合わせするが、きていたのは美容室のお知らせメールだけ。
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