君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～
「…おかえり、菜々子」

「え…なんでここに？」

空港の待ち合いロビーで待っててくれたのは圭吾さんだった。

私の姿に気付くと立ち上がり、距離を縮めてくる。
久し振りに見る圭吾さんは相変わらずかっこよくて、視線を逸らせなくなる。

「奈津美に聞いたんだ。菜々子が何時の便に乗ったのか」

「え？大貫さんに？」

そう話しながらも圭吾さんは私との距離を縮めてきて、そして目の前で立ち止まる。

さっきまでどんな顔して会おうかな？とか、何から話せばいいんだろう。とか色々考えてきたのにな。
こうやって圭吾さんを前にすると、そんな時間が無意味だったって思い知らされる。

「…ごめん、本当はちゃんと話してからだって言うかもしれないけど、でも今は抱きしめてもいいか？」

「え…」

私の返事など聞かず、圭吾さんは私の腕を引くとそのまま強く抱きしめてきた。

圭吾さんのぬくもり、匂いすべてに堪らない気持ちになってしまって、その大好きな背中に腕を回す。

「…おかえり」

そっと囁く圭吾さん。

「…ただいま」

そんな圭吾さんに返事を返す。

もう圭吾さんの胸の中は私が帰るべき場所なんだ。

そう思うと嬉しくなってしまって、涙が溢れてくる。

混雑する空港の中、しばらくの間私は圭吾さんが与えてくれるぬくもりに包まれていた。

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