君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～
未来へと繋がる言葉
「はい」

「ありがとうございます」

あれから圭吾さんと一緒に橘さんの家に行って荷物を持って、二人で暮らすマンションへと戻ってきた。

そしてあの日と同じように圭吾さんが珈琲を淹れてくれて、ソファーに並んで座る。


「…どうだった？北海道は」

「大変でした。…でも充実した三日間でした。大貫さんにも会えましたし」

「そうか…」

逆に北海道に行けてよかった。行っていなかったら分からないことばかりだったから。

「…あの日さ、菜々子に言われたことは全て図星だったよ。俺は奈津美と菜々子を重ねて見てた。…本当に悪かった」

そう言って頭を下げる圭吾さん。

「そんなっ…！…やめて下さい。謝らなくちゃいけないのは私の方なんですから」

「菜々子…」

「私、ずっと羨ましかったんです、大貫さんが。圭吾さんが私のことちゃんと好きでいてくれているってことは分かっていても、心のどこかでずっと嫉妬してました。そんな時に圭吾さんに言われちゃったから、ついカッとなちゃって。…本当にあの時はごめんなさい」

「いや…」

「本当は誰よりも分かっていたんです、圭吾さんの気持ちを。だって私も昔、圭吾さんと大貫さんが一緒に仕事をするってなった時、堪らなく嫌でしたし。…それなのに本当ごめんなさい」

あの時の辛い気持ち、忘れたくても忘れられまかったのにな。
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